広義には、専門家と一般の人々の間、または異なる分野の専門家同士の間で、科学技術に関して相互に交流し、意見を交換することを指します。
サイエンスコミュニケーションは、1990年代にヨーロッパ諸国で発達したと言われています。BSE問題(狂牛病問題)を発端に、一般市民が「騙されているのでは?」と科学に対して不信感を持ちだしたのがきっかけです。対応策として、タウンミーティングなど一般市民と専門家が対話する機会が設けられるようになりました。専門家から一般市民への一方通行の伝達ではなく、双方向型のコミュニケーションが必要だと認識されるようになりました。
近年サイエンスコミュニケーションが必要とされるフィールドは幅広く、科学技術に関わる様々なシーンにて利用されています。
求められるフィールドが幅広いこともあり、サイエンスコミュニケーションに要求される知識や技術もまた多岐に渡ります。
このように、サイエンスコミュニケーションはまだこれといって確立した決まり事があるわけではなく、活動に対する思いや考え方も千差万別の状態です。
ただ、「専門家と一般市民の距離を縮める活動」と言う点では、サイエンスコミュニケーションの共通した目標となっていて、”距離を縮める活動をする人”(すなわちサイエンスコミュニケータ)は、専門知識を判り易く且つ、魅力的に伝える表現者としての知識と行動が要求されます。
近年、このコミュニケータが試行錯誤しながら、様々なシーンで活躍するようになってきました。それはTVや雑誌のメディアであったり、博物館や科学館等の公共機関であったり、また、地域の教育コミュニティーにも活躍の場が広がっています。サイエンスコミュニケータの養成機関や学習機会も徐々に増え始め、今後、ますますサイエンスコミュニケータが活躍する機会は増える方向です。
こうした動向により”科学技術”の”科学(サイエンス)”の面では積極な活動が見られ、だいぶ一般市民も科学に触れる場が増えてきました。しかしながら、こと”技術(テクノロジー)”の面に関しては、まだマニアの領域にあるように感じています。
これは”サイエンス”が発見や夢を伴って人々の想像力をかき立てるものに対して、”テクノロジー”はどちらかと言うと正確さや安全を求められ、その感動や驚きを伝えづらい点がネックとなり、伝える側も受ける側も、双方でコミュニケーションするモチベーションを失ってしまっていると考えています。
当社は特にこの”テクノロジー”にスポットライトをあてていきます。
当社は多くのソフトウェア開発の経験を通して、エンジニアに求められる数々の技術を身につけています。
これらの技術に、サイエンスコミュニケーションに必要とされる”魅力的”に表現する技術を組み込み日々産み出されていく”テクノロジー”をより効果的に表現することによって、科学技術の”テクノロジー”面の理解増進活動につとめていきます。